相続対策事例No1

毎年110万円の贈与は不利?

財産によっては毎年一人510万円の贈与も有効なケースも

木田穣:税理士 家族の税理士事務所 代々木上原 2018/11/19 16:12

田中吉子様(55歳、仮名、会社員)はかねてから一人で暮らす母親(85歳)に万が一があった場合の相続税について不安があり、当事務所に相談に見えられました。お母様は定年まで公務員として働いており、実家から相続した財産もあったことから世田谷区の自宅の他に2億円ものの預貯金を保有していました。相続人は田中様一人で、平成27年に基礎控除(相続税がかからない遺産の上限額)が下がったことを知ったことをきっかけに相談をされました。

当事務所にて、相続税を試算したところ、現状で相続が発生した場合、5,660万円もの相続税がかかることが判明しました。田中様は従来から毎年母親から110万円の贈与を受けていましたが、田中家の場合、お母様の年齢や田中様に配偶者・お子様がいないことを考慮すると、例え贈与税を支払ったとしても贈与税を増やした方が節税になる旨をご説明し、以降は毎年510万円(対する贈与税は田中様の場合50万円)の贈与を受けることにしました。

その他、田中様はお母様のご自宅の近くのマンションの購入を検討されていましたが、お母様から住宅取得資金贈与を受けて、田中様名義で購入するのか、またはお母様名義でマンションを購入して田中様が無償で借りるか、どちらがトータルで税金が有利となるかについてご質問を受けました。当方として、それぞれの場合に分けて、将来の相続税の試算を行い、今回のケースではマンションはお母様の財産から購入することとなりました。